インターネットの普及に伴い、グルメポータルサイトは飲食店業界に欠かせない存在となっています。これらのサイトは、利用者が飲食店を探し、口コミを確認し、予約を行うための便利なツールとして機能しています。世界中には多くのグルメポータルサイトがあり、それぞれが独自の機能やターゲットを持っています。本レポートでは、世界で特に利用されている主要なグルメポータルサイトを紹介し、その特徴や利用者シェアについて考察します。

1. Yelp(アメリカ発)

  • URL: https://www.yelp.com
  • 概要: Yelpは、世界的に展開するレビューサイトで、主に飲食店やサービス業に関する口コミを提供しています。2004年に設立され、現在では32カ国以上で利用されています。特にアメリカを中心に広く普及しており、旅行者や地元住民にとって信頼性の高い口コミが豊富です。
  • 特徴: 飲食店だけでなく、観光施設、宿泊施設、ショップなどの情報も充実している点が強みです。Yelpのユーザー投稿型の口コミは信頼性が高く、飲食店探しの重要なツールとなっています。また、ユーザーが写真を投稿できる点も視覚的に魅力です。
  • 世界シェア: Yelpの利用者数は月間で約1億5,000万人に上り、アメリカ国内では特に大きなシェアを占めています。2019年のデータによると、アメリカにおける全レビューサイトの中でYelpは約45%のシェアを持っています。

2. TripAdvisor(アメリカ発)

  • URL: https://www.tripadvisor.com
  • 概要: TripAdvisorは、世界的な旅行者向けの口コミサイトで、ホテルや観光地のレビューに加え、飲食店の情報も豊富に提供しています。特に旅行中の飲食店探しに役立つため、インバウンド需要が高い国々では必須のツールとなっています。
  • 特徴: 世界各国の飲食店が網羅されており、海外旅行者が現地のレストランを見つけやすい設計となっています。口コミに加え、レストランのランキングや地元民のおすすめ情報も豊富に掲載されています。インバウンド向けの強みがありますが、地元住民にも利用されています。
  • 世界シェア: TripAdvisorの月間訪問者数は約4億3,000万人とされ、世界で最も利用されている旅行関連サイトの一つです。特にヨーロッパや北米でのシェアが大きく、グルメカテゴリでも広範な影響力を持っています。

3. Zomato(インド発)

  • URL: https://www.zomato.com
  • 概要: Zomatoはインド発のグローバルなグルメポータルサイトで、2008年に設立されました。飲食店の口コミ、メニュー情報、オンライン予約機能を提供しており、特にアジア圏で人気があります。Zomatoは主にインド、アメリカ、イギリス、オーストラリアで広く利用されています。
  • 特徴: Zomatoは、リアルタイムのメニュー情報や、店内の様子を確認できる写真が多く掲載されています。また、飲食店の予約機能が充実しており、シンプルな操作で予約が完了できる点がユーザーに好評です。さらに、最近では食品宅配サービスも提供しています。
  • 世界シェア: Zomatoの月間利用者数は約2億人で、アジア圏では非常に高いシェアを誇っています。インド国内では市場シェアの60%を占めており、インド国外でも着実に利用者数を伸ばしています。

4. OpenTable(アメリカ発)

  • URL: https://www.opentable.com
  • 概要: OpenTableは、1998年に設立されたアメリカ発のレストラン予約サイトで、現在はアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、アジアなどで広く展開されています。特に高級レストランからカジュアルダイニングまで、幅広いジャンルのレストランが登録されています。
  • 特徴: リアルタイムで予約状況を確認できる機能が最大の強みです。また、特定のレストランの空席情報を基に即座に予約を確定できるため、レストラン選びが効率的に行えます。予約時にポイントが貯まり、次回以降の予約時に利用できる点も特徴です。
  • 世界シェア: OpenTableは、アメリカ国内での市場シェアが約40%とされ、グローバルに見ても広く普及しています。ヨーロッパ、特にイギリスやドイツでのシェアも拡大しており、飲食店の予約には欠かせないサイトとなっています。

5. TasteAtlas(クロアチア発)

  • URL: https://www.tasteatlas.com
  • 概要: TasteAtlasは、2015年に設立されたクロアチア発のグルメサイトで、各国の名物料理や地域特産品に焦点を当てた情報を提供しています。2018年に初めて世界ランキングを発表し、以降毎年世界中の料理を評価しています。
  • 特徴: 地元の料理や食材に関する詳細な情報が豊富で、観光客だけでなく食に興味のある地元民も利用しています。また、地図形式で料理を探索できる機能や、ユーザーが料理ごとのレビューや評価を投稿できるインタラクティブな設計が特徴です。
  • 世界シェア: TasteAtlasはまだ比較的新しいサイトですが、月間利用者数は約1,000万人と成長しています。特にヨーロッパやアジアでのユーザーが増加傾向にあり、グルメポータルとしての存在感を強めています。

6. 食べログ(日本発)

  • URL: https://tabelog.com
  • 概要: 食べログは、日本最大級のグルメサイトで、飲食店の口コミやランキング情報を提供しています。2005年にサービスを開始し、現在では国内外の多くの飲食店が登録されています。特にユーザーによる星評価制度が特徴的で、日本国内での利用者が非常に多いです。
  • 特徴: 飲食店の検索機能が充実しており、特定のエリアやジャンルでレストランを簡単に見つけることができます。また、ユーザーが投稿する写真やレビューを参考に、質の高い飲食店を見つけやすい点も特徴です。予約機能も充実しており、簡単に席を確保できます。
  • 世界シェア: 食べログは日本国内でのシェアが非常に高く、月間利用者数は約8,700万人に上ります。日本の飲食店情報を探す際には欠かせないツールであり、日本国外でも利用されることが増えています。

7. ぐるなび(日本発)

  • URL: https://www.gnavi.co.jp
  • 概要: ぐるなびは、日本国内の飲食店検索や予約機能を提供する大手グルメサイトです。宴会やコース料理に特化した特集が多く、特にビジネスシーンでの利用が盛んです。また、楽天ポイントと連携しており、ユーザーはポイントを貯めることができます。
  • 特徴: 宴会や大人数向けのプランに特化した検索機能があり、幹事向けのサービスが充実しています。予約機能も強化されており、ネット予約が可能な店舗が多数登録されています。また、飲食店にとっても、ぐるなび経由での集客が効果的です。
  • 世界シェア: ぐるなびは日本国内での利用がメインで、月間利用者数は約4,400万人です。日本の主要都市に強い影響力を持っており、特に宴会シーズンには利用者が急増します。

8. TheFork(フランス発)

  • URL: https://www.thefork.com
  • 概要: TheForkは、フランス発のレストラン予約サイトで、ヨーロッパを中心に展開されています。2007年に設立され、現在はイタリア、スペイン、スイスなどの国々でも利用されています。
  • 特徴: ヨーロッパでのレストラン予約を簡単に行えるサイトとして、特に高級レストランやカジュアルダイニングの両方で支持されています。予約時にユーザーがレビューを投稿できるため、予約前に他のユーザーの体験談を参考にできます。
  • 世界シェア: TheForkはフランス、イタリア、スペインなどでのシェアが非常に高く、特にヨーロッパ圏でのレストラン予約には欠かせないサイトとなっています。月間利用者数は約1,500万人とされています。

9. Michelin Guide(フランス発)

  • URL: https://guide.michelin.com
  • 概要: ミシュランガイドは、世界で最も権威のあるグルメガイドの一つで、星付きレストランを格付けしています。1900年にフランスで始まり、現在は世界中の高級レストランを評価しています。
  • 特徴: レストランの格付けは厳格で、星を獲得したレストランは世界的に有名になります。特にグルメを楽しむ旅行者にとっては、ミシュランガイドに掲載されたレストランを訪れることが一つのステータスとなっています。
  • 世界シェア: ミシュランガイドは世界中で認知されており、特に高級レストラン市場では絶大な影響力を持っています。掲載されたレストランは世界中から注目され、予約が殺到することが多いです。

これらのグルメポータルサイトは、それぞれが異なる強みやターゲット層を持っており、地域やニーズに応じて利用されます。飲食店の検索や予約だけでなく、口コミやレビューを通じて、ユーザーはより良い食体験を得ることができます。各サイトの世界シェアを踏まえた選択が、飲食業界における効果的なマーケティング戦略となるでしょう。